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クリンチェック
このクリンチェックからは2つのベクトルに分かれた歯の移動がよくわかります。上顎切歯は最初の12段階はリトラクション移動を行っています。上顎切歯のリトラクションによっていくぶんの舌側傾斜が生じ、その結果として相対挺出が生じていますが、このクリンチェックでははっきりとはわかりません。クリンチェックをチェックしながら、歯が実際にどのような動きをするかを予測することが矯正歯科医のもっとも大切な仕事のひとつです。

その後このリトラクション移動はストップし、次に絶対挺出が始まっています。このように治療を2段階に分けた理由は、歯のリトラクションは非常に予測性の高い移動である一方、絶対挺出はそうでないためです。予測性の高い移動を先にもってきて、次に予測性の低い移動を行うと、失敗に至るリスクを小さくすることができます。つまり、難しい移動が不完全に終わる場合があっても、少なくとも予測性の高い移動は完全に実現できるということです。